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ベトナム基本資料
ベトナム社会体制、経済、雇用環境など基本的な情報をまとめました。
ベトナムの社会体制
<政治体制>
・社会主義共和国(共産党一党独裁)
・5年に一度の共産党大会で体制が決まる 2011年1月に新体制発足 2015年まで現体制
・行政単位: 58省と5つの中央管轄都市(ハノイ、ハイフォン、 ダナン、ホーチミン、カントー)
<国土、人口>
・国土面積: 329,241km2(日本の0.88倍)
・人口: 8600万人(30歳未満が70%、15~59歳 人口が65%)
・出生率: 2.03(日本 1.37)
・平均寿命: 72歳(日本 82.9歳)
<言語、宗教>
・公用語: ベトナム語
・宗教: 大乗仏教(80%)、カトリック(7.5%)
・人種: キン族(越人)86%と53の少数民族
<在留邦人>
・在ベトナム邦人: 約15000人
・在日ベトナム人: 約41000人
<土地所有>
・土地は国家が一元管理しているが、土地使用権の交付により賃貸借が行われており、実質的な土地所有が可能になっている。ベトナムの社会体制
<経済構造>
・経済成長率 2010年6.78% 2000年代を通して7.2%成長
・外国投資と輸出が経済成長を支えている
・産業構成比: 第1産業21%、第2次産業40%、 第3次産業39%
・2008年以降、20%を超える激しいインフレ
<輸出入の構造>
・輸出品目: 第1位 繊維製品、第2位 履物、 第3位 水産品、第4位 原油
・輸入品目: 第1位 機械設備・部品、第2位 鉄鋼 第3位 石油・石油精製設備がないため、原油を輸出し石油を 輸入している
・海外大手組み立てメーカーは進出しているが、材料 部品はほぼ輸入に依存している
現状の構造では、貿易赤字が続いていく
<越僑>
・海外に住む越僑は約350万人
・越僑からの送金額 85億USドル/年・海外からベトナムに流れる金の1/3はODA、 1/3は外国の直接投資、1/3は越僑と言われている
<日本との関係>
・ベトナムにとって日本は、2番目の貿易相手国 (1番は中国)
・日本からの投資は4番目(1番は韓国)
・日本が最大のODA援助国 1992年以降160億USドルを援助しているベトナムの雇用環境
社会主義国であるベトナムでは、労働者の権利は手厚く保護されている
<最低賃金>
・ホーチミン、ハノイといった都市部 80USドル/月 インフレの影響もあり賃金は上昇傾向にある
<勤務時間、休日>
・一般的に、1週48時間、1日8時間勤務
・残業手当: 平日5割増、休日は3倍
・1年以上勤務した者には、12日間の有給を支給
・慶弔休暇、女性の育児休暇(4ヶ月)がある
<雇用契約>
・「雇用期間を限定しない契約」「雇用期間限定の 契約(12ヶ月から36ヶ月)」「季節契約(12ヶ月)」 の3つのタイプがある
・試用期間: 熟練労働者60日以内、未熟練労働者 30日以内
・雇用契約書には、業務内容、労働時間、給与、 勤務地、健康・安全、社会保険などの要件を 記載しなければならない
<労働組合>
・外国企業であっても、従業員が5人以上の組織 であれば労働組合を組織しなければならない
・労働争議(ストライキ)は認められている
<雇用保険>
以下の支払いが義務づけられている
・社会保険: 雇用者給与の17%、被雇用者7%
・健康保険: 雇用者給与の3%、被雇用者1.5%
・失業保険: 雇用者給与の1%、被雇用者1%
・退職金: 会社都合の場合、1年ごとに1ヶ月分 給与に相当する退職金、最低2ヶ月分を保証 しなければならないベトナムの工業団地と税制
<工業団地>
・製造工場は、全国に260ある工業団地(各省に 立地)へ入居。進出のためには、各省の管理 委員会の認可が必要
・工場用地は基本的に50年リース。最近は、 工業団地内にレンタル工場(建家を準備し、 短期、中期で貸し出す)も出てきている
・工業団地には次の3つのタイプがある
1 工業区(IZ)
2 輸出加工区(EPZs)
3 ハイテク区(HTZs)
4 経済特区(EZs)
・進出する法人形態は次の4つ
1 事業協力契約
2 有限会社
3 合資会社/株式会社
4 合名会社
5 私営企業/個人事業
<税制>
・法人所得税: 25% (税制優遇の場合 10%、20%)
・付加価値税(消費税相当): 10%
・製造組み立てに使う生産資材や部品の輸入関税 は免除
・個人所得税: 累進課税(5~35%)
・利益(配当)送金税は免除ベトナムに進出した日本企業(製造業)の事業展開
※現状の事業展開は次の3つに区分できる
裾野産業育成計画
部品の海外調達比率が高く、貿易赤字が続いている。国内の部品調達比率を高めるため裾野産業育成が国家プロジェクトになっており、日本の中小モノづくり企業への働きかけを強めている。
<集中的育成分野>
・機械製造
・電子情報
・自動車組立
・縫製
・皮革
・先端技術
<日本企業誘致推進策>
・投資手続の簡素化: 投資規模3000億ベトナムドン以下→認可15日
・企業勢優遇: 25%を10%、20%へ減税
・土地賃貸期間の免除
・輸入税の免除
・海外送金税の免除(配当)
<日本企業向け特区新設>
・候補地: 北部ハイフォン、南部ブンタウ
・日本企業向けに限定した工業団地
・病院、レストラン、語学トレーニング施設を併設
・税制優遇措置
・政務、法務などの各種相談窓口の設置
・従業員の採用支援サービス
↓ 部品を製造する日本の中小企業を誘致部品の自国調達率の向上を目指す
↓ 自動車、電機、携帯電話などの産業育成を育成中小モノづくり企業のベトナム進出策と効果